数ある洋菓子のなかでも、とりわけ高い人気を誇る焼菓子といえば、まず挙げられるのがフィナンシェとマドレーヌではないでしょうか。
数多くの洋菓子メーカーやブランドからさまざまなフレーバーのフィナンシェやマドレーヌが販売されていることからも人気のほどがうかがえますが、じつは両者の違いがよく分からないという声もよく聞きます。
ともにフランス発祥で材料も共通点が多いため、特徴的な形を除けば、確かに区別がつきづらいかもしれません。フィナンシェとマドレーヌはどこがどう違うのか、詳しく解説します。
フィナンシェとマドレーヌ その歴史と由来の違い
フィナンシェとマドレーヌの違いを知るために、まずはその誕生や名称にまつわる由来や歴史について解説します。
フィナンシェの歴史と由来
フィナンシェは17世紀にフランス北部の教会で生まれたお菓子をベースに、19世紀末のパリで誕生したとされています。生みの親は金融街にほど近いパティスリーの菓子職人で、忙しい銀行員たちが手軽に食べられるお菓子として考案されたといわれています。
金塊を思わせる長方形の型で焼かれることから「フィナンシェ＝金融家」という名称がつけられたという説もあります。美しい焼き色としっとりとした口当たり、そして香ばしいバターの香りは、まさに贅沢の象徴です。
マドレーヌの歴史と由来
マドレーヌは18世紀にフランス・ロレーヌ地方のコメルシーに伝わる家庭のお菓子として誕生しました。マドレーヌという名の女性がその名称の由来といわれていますが、彼女が何者かについては諸説ありますが、特に有名なのがポーランド王でありロレーヌ公でもあったスタニスワフ・レシチニスキの召使だったという説です。
ある日、王の菓子職人が機嫌を損ねて逃げ出してしまったため、代わりに召使のマドレーヌ・ポエミが祖母から教わったお菓子を作りました。王様はこのお菓子をとても気に入り、称賛の意を込めて「マドレーヌ」と呼ぶことにしたそうです。
なお、マドレーヌの特徴として知られる「ホタテ貝」の形ですが、このときにマドレーヌ・ポエミが厨房にあったホタテの貝殻を型に使ったことが発祥とされています。また、ホタテ貝がキリスト教における巡礼のシンボルだったことに由来するという説もあります。
マドレーヌの知名度向上には、フランス文学の名作も一役買っています。それがフランス文学界の巨匠として知られるマルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』。作中で描かれる紅茶に浸したマドレーヌから過去の記憶が蘇る場面は、まさにお菓子の力を象徴しているといえます。
「フィナンシェ」と「マドレーヌ」その素材と味わいの違い
フィナンシェとマドレーヌはともに小麦粉をベースにした焼菓子であることから、一見すると形が違うだけで同じような味わいにも思われてしまいがちです。もちろん、食べたことがある人なら、味わいや食感がぜんぜん違うことはご存知のことでしょう。その理由は、異なる素材で作られていることにあります。
フィナンシェの素材と風味
フィナンシェの最大の特徴は「焦がしバター」と「アーモンドプードル」が素材として用いられていることです。これにより、濃厚で奥行きのある香りが生まれます。小麦粉よりもナッツの風味が主役となり、ひと口で深い余韻を楽しむことができます。
食感の特徴を端的に表現すると、外側はカリッと、中はしっとり。ひと口食べただけで、アーモンドと焦がしバターの深い香りが口の中いっぱいに広がり、贅沢な余韻を残します。フィナンシェは紅茶やコーヒーのお共として広く愛されていますが、意外にもワインとも相性がよいことはあまり知られていないかもしれません。フィナンシェには「大人の嗜好品」という側面もあるのです。
マドレーヌの素材と風味
マドレーヌは小麦粉と卵、砂糖、そしてバターを合わせて作られるシンプルな生地が基本です。食感はふんわり柔らかで、口当たりが軽やか。濃厚な味わいが特徴のフィナンシェに対し、家庭的でやさしい甘さが特徴です。
フィナンシェとマドレーヌ、その作り方の違い
数多くのメーカーやブランドがさまざまな趣向を凝らしたフィナンシェやマドレーヌを販売しています。それらの中から自分好みの逸品を見つけるのもいいですが、ときには家庭で手作りしてみるのも楽しいものです。
フィナンシェもマドレーヌも、そこまで難しい工程があるわけではないので、お菓子作りにあまり慣れていない人にとっても、比較的ハードルが低めなのもうれしいところ。特にマドレーヌは材料を混ぜて焼くだけで作れるので、初心者にもおすすめです。
フィナンシェとマドレーヌの作り方を簡単に解説します。
フィナンシェの作り方
●材料（約8個分）
無塩バター：100g
卵白：3個分
グラニュー糖：80g
アーモンドプードル：50g
薄力粉：40g
はちみつ（お好みで）：小さじ1
●作り方
①焦がしバターを作る
鍋でバターを中火で溶かし、香ばしい茶色になるまで加熱します。加熱後は、こして冷ましておきましょう。
②粉類を混ぜる
アーモンドプードルと薄力粉、グラニュー糖をボウルに入れて混ぜます。
③卵白を加える
卵白を加えて、泡立てずにさっくり混ぜます。
④バターを加える
冷ました焦がしバター（＋はちみつ）を加え、なめらかになるまで混ぜます。
⑤生地を寝かせる
冷蔵庫で30分〜1時間休ませると、よりしっとりと仕上がります。
⑥焼く
型に流し入れ、180℃に予熱したオーブンで約15〜20分焼きます。表面がきつね色になれば完成です。
マドレーヌの作り方
●材料（約8個分）
卵：2個
砂糖：80g
薄力粉：100g
ベーキングパウダー：小さじ1/2
無塩バター：100g
はちみつ：小さじ1
レモンの皮（すりおろし）：お好みで
●作り方
①バターを溶かす
バターを溶かして少し冷まします。
②卵と砂糖を混ぜる
ボウルに卵と砂糖を入れ、泡立て器で白っぽくなるまで混ぜます。
③粉類を加える
薄力粉とベーキングパウダーをふるい入れ、さっくり混ぜます。
④バター・はちみつを加える
溶かしバターとはちみつ（あればレモンの皮も）を加えて混ぜます。
⑤冷やす
生地をラップして冷蔵庫で30分〜1時間休ませます。
⑥焼く
180℃に予熱したオーブンで約10〜12分焼いて完成。焼く前に型にしっかりバターを塗り、薄く粉をふると型離れがよくなります。
Cadeau deuxで人気のフィナンシェとマドレーヌ５選
銀座松屋の地下1階食品・お菓子売り場（CINZAフードステージ）に店舗を構えるCadeau Deux。「食のはじまりは、ママの味」をコンセプトに、お母さんの手作りお菓子のようなやさしく、どこか懐かしい味わいがファンを増やしています。同店で特に人気なのが、看板商品のフィナンシェと火曜日限定で販売されているマドレーヌです。それぞれの特徴を紹介します。
フィナンシェ プレーン
国産小麦、キビ糖、発酵バターを用いたCadeau Deuxのフィナンシェの基本形ともいえるのが、この「プレーン」です。じっくりと焦がした発酵バター、しっかりローストしたスペイン産マルコナ種のアーモンドプードルのリッチな風味を味わえます。
そのまま食べてもおいしいのはもちろんですが、ひと手間かけてトースターで２分間温めるのもおすすめです。外はカリっと中はしっとりとした独特の食感を楽しめます。
フィナンシェ ショコラ
フランスの大手チョコレートメーカーであるヴァローナ社のチョコレートを贅沢に使用したショコラフレーバーはCadeau Deuxで一番の人気を誇っています。とりわけ子どもからの人気はバツグンです。
目を引くのが表面中央に配置されたチョコレートのバトン。見た目のかわいらしさとチョコレート感をともに強調するのに一役買っており、子どもに人気が高いのも納得です。
フィナンシェ キャラメル
生地にキャラメルペーストを練り込み、ミルクキャラメルをイメージしてミルキーに仕上げた一品です。表面に散らした飴細工が特徴的なの個性と味わいを生み出しています。
こちらも食べる前にトースターで２分間温めるのがおすすめです。
表面の飴細工が溶けて生地の中に染み込んでいき、他にはない個性的な風味をより一層際立たせてくれます。
マドレーヌ バニラ
マドレーヌは火曜日のみ販売されています。マドレーヌ本来の軽さや上品な甘さを大切にしつつ、卵のコクとバターのリッチさを感じるように作られています。マドレーヌの定番フレーバーであるバニラは、バニラビーンズをしっかりと使ったコクのある味わいが好評です。
マドレーヌ レモン
レモンの皮を生地に練り込んだレモンフレーバーのマドレーヌは、特に女性のファンが多いのが特徴です。爽やかなレモンの風味を存分に楽しむことができます。
Cadeau deuxの店舗情報
Cadeau Deuxは、銀座松屋の地下1階食品・お菓子売り場（CINZAフードステージ）に店舗を構えています。銀座松屋は銀座駅A12番出口から直結しているので、アクセスが非常に便利で誰もが立ち寄りやすい位置です。
銀座でのお買い物やお出かけの際には、ぜひ銀座松屋Cadeau Deuxにお立ち寄りください。
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住所：東京都中央区銀座3-6-1 銀座松屋B1（CINZAフードステージ） 営業時間：平日11時〜20時（松屋銀座の営業日に準ずる） 定休日：不定休（松屋銀座に準ずる） 電話番号：03-3567-1211（代表） |
まとめ
スイーツ好きの人にもスイーツ作りが好きな人にも長く愛され続けているフィナンシェとマドレーヌ。ギフトとしての需要も高く、さまざまなシーンで活躍してくれる洋菓子界の定番中の定番ともいえる存在です。
バリエーションも豊富なので、さまざまなショップやブランドをめぐっているうちに、理想のフィナンシェやマドレーヌがきっと見つかることでしょう。
そしておいしいフィナンシェとマドレーヌを選ぶ際には、Cadeau deuxの商品も選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか？ 味わいはもちろん、素材にも製法にもこだわって作った多彩なフィナンシェとマドレーヌをラインナップしています。大切な方への感謝の気持ちを、おいしさとともにお届けするのに最適です。
Cadeau deuxは、東京銀座の松屋銀座にあります。ぜひ一度お越しください。皆様の大切な方への素敵な贈り物をご用意してお待ちしております。
